通称,COSOと称される米国の民間5団体から構成される「トレッドウェイ委員会支援組織委員会」が『内部統制の統合的枠組み』4部作を公表したのが1992年であり,その翻訳書2分冊(「理論篇」と「ツール篇」)が,白桃書房から出版されたのが1996年であった。それから10年以上の歳月が流れた本年(2006年),わが国では,会社法の施行と,金融商品取引法の制定により,その中で謳われている,企業の内部統制の整備・運用そして評価が,企業関係者すべてにとっての喫緊の課題となったのである。加えて,この内部統制の整備ないし評価にとってのバイブルとされているのが,このCOSOの内部統制の翻訳書であるということは,訳者の一人として非常に感慨深いものを感じている。そもそも,このCOSO報告書との出会いは,1992年に米国・ワンシントンD.C.で開催の第14回世界会計士会議の席であり,本報告書公表の契機となった,1987年公表のトレッドウェイ委員会報告書『不正な財務報告』における勧告の一つが,有効な内部統制の構築だったことに思いを致すとき,今,わが国で求められている取り組みは, まさに,財務報告の信頼性をより向上させるための方策であると理解できるのである。
八田進二
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八田進二(はった しんじ) 金融庁企業会計審議会委員(内部統制部会部会長) 金融庁金融審議会臨時委員(公認会計士制度部会) 国連内のガバナンス改革運営委員会委員 NHKコンプライアンス委員会委員長 日本監査研究学会会長 公認会計士試験試験委員ほか。 |
内部統制の統合的枠組み〔ツール篇〕
定価 : 3,570円(税込)
上記の理論篇を受けて,内部統制の実践面での教材として,また評価のツールとして役立つのが本書である。書込み式の評価ツールや一般企業における主要な活動を対象とした参考マニュアルは具体的であり利用度が高い。
内部統制の統合的枠組み〔理論篇〕
定価 : 3,360円(税込)
アメリカ公認会計士協会・アメリカ会計学会・財務担当経営者協会・内部監査人協会・管理会計士協会が5年の歳月を投入して完成させた内部統制の理論に関する決定版。「内部統制とは何か」という問題に真正面から取組む。



